トマス
【補足】
トマスはある地方の方言ではいたちのこと。あるいは「斗桝」のことか。などと言われているが、結局正体は不明である。
【掲載資料】
- 『西播磨昔話集 全国昔話資料集成 8』
【参考資料】
- 『西播磨昔話集 全国昔話資料集成 8』井口宗平(編)/岩崎美術社/1975年
- [1]『柳田國男全集 第二十巻』柳田国男(著)/筑摩書房/1999年
【コメント】
とても洋風な感じの名前の妖怪です。
民俗学者の柳田国男は『妖怪談義[1]』で「親が子供の「なぜ?」に答へる為に、こんな急ごしらへの名前をお化けに附した例は多い。私などの幼ない頃には、 泣くとやつて来るのはチンチンコワヤであつたが、これなどはよく考へて見ると夜蕎麦売りの声色であつた。」 と自身の体験を記しています。同様にトマスも子供をしつけるために考え出され、名前を与えられた妖怪だろうと考えられますが、 『西播磨昔話集 全国昔話資料集成 8』の著者はトマスの伝説には何か由来があるのではないかと言っています。
【履歴】
2017年10月14日:Twitterでの紹介
2019年4月17日:N鬼夜行での紹介
【解説】
土蔵の奥の方の暗いところにいる恐ろしいもの。大きな口で子供をひと呑みにしてしまう。