ネコテラスオオミカミ

ネコテラスオオミカミ

【解説】

 猫の妖怪の「猫鬼」の中で、最も上位に位置する存在。

【補足】

 福島県いわき市好間町の一部地域には「鶏鬼」「猫鬼」「狐鬼」「熊鬼」と呼ばれる、角を持つ幻獣の伝説と頭骨やミイラや詫び証文などが伝わっている。これらの強さは

 鶏鬼 < 猫鬼 < 狐鬼 < 熊鬼

の順であると言われる。

 猫鬼には四種類が存在し、位が高い順に「天鬼」「空鬼」「幽鬼」「野鬼」である。

 野鬼は普通の猫であるが、角が一本だけ生えている。頭領は「アメノカツブシノミコト」。

 幽鬼は人の言葉を理解し、化けることができる。角は二本生えていて、頭領は「アメノマタタビノミコト」。

 空鬼は人語のみならず全ての動植物の言葉を理解し、さらに化ける以外にも地水火風を自由に操ることができる。角は三本生えていて、頭領は「アメノシャミネンノミコト」。

 天鬼はもはや神のような存在で通常は姿を現さない。また人には害を加えず猫鬼の特徴である角も生えていないので普通の猫と区別することはできない。 この「天鬼」の頭領こそが「ネコテラスオオミカミ」である。

 天鬼以外のそれぞれの種類は死ぬまで変わらないが、修行を積むことでどの身分からでも天鬼になることができ、自然と角が落ちる。猫鬼たちは天鬼になるために日々修行に励んでいるという。

【掲載資料】

  • 猫鬼研究会による資料群

【参考資料】

  • [主]『日本の幻獣図譜──大江戸不思議生物出現録』湯本豪一(著)/東京美術/2016年

【コメント】

 絵のモデルはウチの猫です。

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【履歴】

2017年11月2日:Twitterでの紹介

2019年4月17日:N鬼夜行での紹介