オーギソヨソヨ
【物語】
ある日、大きな黒いものが「オーギソヨソヨ、ドンドンドン。オーギソヨソヨ、ドンドンドン。キックリ、モックリ、キンザラカイノ、 ユッスリ、モックリ、ワイワイワイ、ワイワイワイ。馬も食う、牛も食う、おなかがホテレン、ホテレン」と言って遠くからやって来た。 そしてある一軒家に入り、土間にある大きな釜に入って蓋を閉めると大いびきでグウグウと眠ってしまった。
これを聞いた近所の人々が集まってきて、おっかなびっくりその釜に近づいてかまどの下に火をつけた。火は赤々と燃えた。
しばらくしてそっと蓋を開けてみると中では大蜘蛛が真っ黒に焼かれて死んでいた。それからは気味の悪い「オーギソヨソヨ」の声はしなくなった。
【補足】
「ホテレン」は腹が膨れること。
茨城県古河市の表新町に伝わる。
【掲載資料】
- 昔話
【参考資料】
- [主]『古河市資史料第六集 古河の昔話と伝説』古河市史編さん委員会(民俗部会)(編)/古河市教育委員会/1978年
- [主]『古河市史 民俗編』古河市史編さん委員会(編)/古河市/1983年
【コメント】
扇はイメージです。
【履歴】
2018年1月12日:Twitterでの紹介
2019年4月17日:N鬼夜行での紹介
【解説】
大きな黒い妖怪。何か呪文のような声を上げながら動く。