覘坊
【補足】
覘きとは障害を取り除けて見ることである。さらに、この妖怪は蜘蛛の巣の模様の衣を着ている。これは人や物を捕らえるために綿密な網をめぐらせ隠し事を暴こうとしているのを暗示しているのではないだろうか。
また「高名の家鬼その宝を瞰う」ということわざがある。これは鬼神は人の家が満ち足りているのを憎み富んだ家に目をつけて災いをもたらすという意味である。覘坊の目には目星(眼球の光)がついており、次の犠牲者の目星がついたということなのだ。
という見かたがある[1]。
【掲載資料】
- 『百鬼夜行絵巻』:松井文庫
【参考資料】
- [主]『大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで』図録/読売新聞社/2016年
- [主][1]『妖怪図巻』京極夏彦,多田克己(編)/国書刊行会/2000年:他の絵巻と被る妖怪は掲載無し。
【コメント】
ただのぞき込むだけの妖怪かと思ったら怖い妖怪だったんですね。作者の人そこまで考えてないと思うよ
【履歴】
2017年10月5日:Twitterでの紹介
2019年4月17日:N鬼夜行での紹介
【解説】
何かをのぞきこむような坊主姿の妖怪。