わらい男
【補足】
妖怪でもカミサマでも普通は目に見えないが、存在しないということは考えられない。わらい男は我々の認識できないある力によってこのとき見えたのだろう、と水木しげるは述べている。
倩兮 女は水木しげるの著作では「笑いというものは、世間で考えられているほど、明るいだけのものではない。なかには不吉なものもある。」という前置きの後に再度の怪のような妖怪として解説されている[2]。 わらい男の目撃談では不吉な笑い声を出す妖怪として比較されたのだろう。
高知県にも「笑い男」という妖怪の話がある[3]が、「笑う」「男」の二点が共通しているだけであり同名の別種と考えるべきだろう。
○高知の笑い男(概要)
山に入ると偶に笑い男に会うことがある。笑い男は14,5歳くらいの童子で、人を指さして笑う。この声は始めは小さいが次第に大きくなり、 そのうち草木や岩石、風や水の音まで笑っているように聞こえる。この声は一生耳に残るという。
【掲載資料】
- 『目撃画談』水木しげる
【参考資料】
- [主]『季刊 怪 第壱号』郡司聡(編)/角川書店/1998年
- [1]倩兮女 - Wikipedia(外部リンク)
- [2]『図説 日本妖怪大全』水木しげる(著)/講談社+α文庫/1994年
- [3]『妖怪 日本民俗文化資料集成 8』谷川健一(編)/三一書房/1988年:広江清『近世土佐妖怪資料』より。『南志路 三六(神威 怪異 奇談)』と『土陽渕岳志』を引用している
【コメント】
最初に見たときは黄色い目が光っているんだと思ってたんですが、よく見たら黄色の中に小さい黒目があってびっくりしました。
【履歴】
2020年3月1日:Twitterでの紹介
2021年3月2日:N鬼夜行での紹介
【解説】
真夜中に家の裏の上方の空間あたりで数十秒ほど「アッハッハッハッハッハッ、アッハッハッハッハッハッ」と笑い声をあげる妖怪。 この声は人の声のような感じではなく、けらけら女[1]の絵の印象とも違う、冷ややかな笑い声である。