馬か龍のような頭から風を吐いている妖怪。蓑を羽織っている。

大馬風
解説
出典資料
- 『妖魅四十有九態(ようみしじゅうゆうくたい)』(絵巻物)マシメやジャマンなどの50体の妖怪が描かれている(最後のムジナを妖怪ではないと捉えれば49体)妖怪絵巻。東京都立中央図書館(加賀文庫)所蔵。大屋書房の『百妖図[1]』と相似した妖怪も多い。 
- 『化け物尽くし』[2](絵巻物)作者不詳。ミネアポリス美術館所蔵の妖怪絵巻。精呂魔や王广などの43体の妖怪が描かれている。内容は妖魅四十有九態と類似しているが、草双紙の『百鬼夜講化物語[3]』から追加したと思われる妖怪がいるのも特徴[4]。大馬風はこちらでは大馬という名前で描かれている。 
参考資料
更新履歴
2025年10月28日:N鬼夜行NEOへの移行に伴い改稿
2019年4月17日:N鬼夜行での紹介
2018年4月15日:Twitterでの紹介

管理人のコメント
頭部の形や色合いは龍のように見えますが、ムキムキの腕もあります。謎生物です。元絵は立体的な解釈が難しく、後ろにあるのも風袋なのか山なのか微妙な所です。
不思議な風が一瞬のうちに馬を殺す提馬風[5]というものが江戸時代頃には知られていました。大馬風と読みは同じなので、おそらくこれと同じ妖怪でしょう。であれば大馬風が口から吐いている息は馬が当たると死んでしまう風なのだと解釈できます。
ミネアポリスの絵巻の方では大馬ですから、一応、大きい馬の妖怪だということになります。息を吐いた姿は同じもの。提馬と関係はあるのでしょうか。妖怪絵巻は絵師がどこまで想定して描いたのかを考えるのも楽しいですね。