畑の隅に積んである藁などをどけるとゴロリとまい出る白い石のような妖怪。これを棒などで叩こうとすると先へ先へと転がっていって、追いかけると気づかないうちに遠い山の中に来てしまう。
香川県綾歌郡綾川町牛川のウッチャゲという松バエに出た。

畑の隅に積んである藁などをどけるとゴロリとまい出る白い石のような妖怪。これを棒などで叩こうとすると先へ先へと転がっていって、追いかけると気づかないうちに遠い山の中に来てしまう。
香川県綾歌郡綾川町牛川のウッチャゲという松バエに出た。
綾川地方を中心として民俗学研究を行っていた水野一典氏による、その地域の妖怪(マノモン、オジャモなどという)に関する報告。阿波から来て死んだ爺が出るというアワジや甲虫のような河童のツベヌキガーラなどの珍しい妖怪も紹介されているほか、狸の仕業と考えられているものの項目も充実している。
管理人のコメント
この妖怪のことは怪異・妖怪伝承データベースで知りました。悪いことはしていないのに見つかって追い回されるかわいそうな妖怪です。
また、同じ香川県にはシロウズマ[2]ならぬシロフスマ[3]という一つ目一本足で白く大きな顔をした妖怪もいます。シロフスマは旧家の蔵の中にいて雪が降ると蔵から出て敷地内を歩き回るのだといいます。名前はよく似ていますが全然違う妖怪ですね。
傾斜が緩く平らで広くなっているところを「はえ」と言ったりする[4]そうなので、松バエもそういった土地のことなのでしょう。ウッチャゲの方は打上みたいな地名が訛ったように見えますが、不明です。